それでもボクは

torippi2007-02-26

社会に入って4年経とうとしています。
理不尽なこともたくさんあったし、楽しいこともたくさんあった。
なんで、こんなところでアタマ下げなきゃいけないんだろう。と、口惜しい思いをしていたのは
最初のうちで、
いつの間にか、仕事を円滑にするためなら、アタマを下げることも(前ほど)厭わなくなった。
そういう、、感覚がちょっぴり鈍ってきた。


空虚な言葉はあまり口にしたくないと、日々思ってるけど、もしかしたら、空っぽの言葉をはいているときも、あると思う。
<シゴトのため>という大義名分のもと、嘘をついたことも、ある。
そういう自分にいつか、自分は気付かなくなってしまうかもしれないと思うと、物凄く、怖い。
なんて。そんなシリアスに毎日考えてる訳じゃないけどネ!


うーん。なんとなく、何を書きたかったか見えなくなってきそうだけど(笑)
それでもボクはやってない」を見ました。
周防正行の11年ぶりの新作。です。
彼はピンク映画の監督から始まって(この作品だけ、今まで唯一、蓮見重彦さんに褒められたそうです!)、青春コメディタッチの作品を描いてきて、(その流れは、なんとなく矢口史靖なんかにも受け継がれていたりして。)大衆へ名を轟かせた人。
最近のいわゆる<邦画ブーム>に乗って、ノリノリのど真中のコメディを求める声も多かっただろうな。と思う。
でも、彼は、地味な<日本の裁判制度>ということについて描いた。


淡々と、でも緊張感を維持しながら(ここがすごい!)物語は進行していく。
フィクションだけど、事実に基づいていて、単に裁判制度だけではなくきっとこれは、日本の(多分世界の)社会の不公平さや、人間の醜さを描いている・・・ように感じた。
登場人物の、表情が、じっくりと切り取られていく演出は、それぞれの立場での渦巻く想いを丁寧に伝えていくし、何よりも役者の力が、ぐいっと出ていた。


もしかしたら、色んなことに対して意味を見出すことって、無意味なことかもしれないと思うのだけど、彼が、今、日本映画界でこの作品をとったことは大きな意味があると思う。
そして、この地味で、迫力のある物語を取り上げ、もちろん物凄いエンタテインメント作品に仕上がっているけれど、興行ベースに乗っていけるのは、他でもない周防監督だからだろう。と思う。
浮かれてないところが、カッコイイ。