タロットカード殺人事件

torippi2007-11-14

自分のなかに何人かの人間がいるんじゃないかって思ってしまう
ことって誰にでもあることなのかもしれない。
でも、どんな人間かって判断するのは自分じゃなく他人で、その自分の中の
ひとりの人格を抽出したり、いくつかの素質をひっぱりだして、今までの自分の
経験値と照らし合わせたり、勘だったりを頼りにその人を判断するんですね。
そして、<この人はこういう人>という輪郭を他人に植え付けていくのです。
きっと。
その輪郭を自分の中でつくれない人と出会うと、嫌いになるか、もしくは恋に落ちて
しまうか…。ということが起こるのかな。と思います。きっと。


あたしは、高校時代からの大友人には<意地悪な子ども>とか、<ブラックな人>とか
言われます。自分では生真面目だけど大雑把なお調子者だと思ってるんですけどね(笑)
ま。こんな性格なので、ウディ・アレンが嫌いになれる訳がなく。好きです。


タロットカード殺人事件」みてきました。
まず音楽とクレジットとかのセンスがよいです。
あと、毎度のことながら約1時間半でサクッ。で、はい!チャンチャン♪で終わるところ
のセンスがよいです。
タイトルから連想するような、金田一少年的なタロットカードにまつわって謎解きをする
なんていうところは全然なくて、
主人公(スカーレット・ヨハンソン)とその相棒(ウディ・アレン)が、殺人事件の犯人を
死んだはずの記者の幽霊から告げられて、その言葉に翻弄されつつイケメンセレブ(ヒュー・ジャックマン
に近付いていくんだけど、主人公がそのイケメンと恋に落ちてしまって…。という。
サスペンス&ラブ&コメディの要素がとってもバランスよく詰まっていて、会話も小気味いい!
さらに死神につれられて船にのっていた記者が、犯人追及の執念から船から川(?)に飛びこんで
現世にメッセージを告げにくる。なんていうファンタジー要素もあって面白い。


物語のオチとか、殺人の動機とか、そういうものは本当に日本のTVドラマのサスペンス劇場と
変わらないんだけど、
やはり会話の秀逸さ、キャラ&状況設定のウマさ、コネタのセンスのよさ、そして大オチの存在が、
やっぱり1コの小さいけれどいい映画の作品として成立してる。
こういう作品をつくるのって、ある意味大作をつくるよりも難しいと思うし、こういう作品をつくろう
とするとお寒くなってしまうことが世の常。
さすが!ウディ・アレンだな〜。と思ってしまった作品でした。
あと、ヒュー・ジャックマン、ウルバリンのイメージが強かったけど、羽賀ケンジ的ないかがわしい
イケメン役、はまってたな〜。