おんなのことば

torippi2008-06-23

先週末は高校時代からの友達と地元の居酒屋で1杯。
高校の時から刺激を受け合っている(…少なからずワタシは受けている(笑))友達に教えてもらった詩が大好きになってしまって、翌日、その詩が入っている詩集を買ってしまった!
茨木のり子「おんなのことば」。


コホン。では、朗読させていただきます。


「自分の感受性くらい」



ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて


気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった


駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
(引用「おんなのことば」より)


この方、茨木のり子さんて、戦争を経験して、戦後詩を牽引した人のひとりなんですね。
まだまだ男尊女卑の風潮が根強く残る中、強くて、しなやかな詩を残した人だと思います。
改めて、「言葉」の持つパワーを感じられるような詩が多数収録されていて、バックに入れて、ふとした時に電車で読んだりしてます。
本当に昭和の女性作家って、魅力的な人が多くて、すごく刺激を受けます。


強くて、しなやかで、たおやかで、豊かで・・・。
生きている今という時代に感じたこと、体感したこと、響いていること、吹いている風、匂っている生活臭を、過不足なく表現出来るって、素晴らしいです。


乾いた湖にふってきた豪雨ように、ギューッと自分にしみこんできました。
ので、これを誰かにも分かち合わねば!と、
頼まれてもいないのに(笑)深夜のカフェで彼氏に朗読。
さらに家に帰って弟に朗読。


ちなみに、友達は結婚式で朗読したとのこと。(笑)
ちなみに選んだ詩は「あほらしい唄」。
詩の内容もさることながらタイトルも秀逸です。


そして、その朗読のBGMはホイットニー・ヒューストン(鼻歌)とのこと。
パフォーマンスも秀逸です。