グロテスク 桐野夏生

torippi2009-08-14

人はどうして人の心の闇に強く惹かれてしまうのでしょうか?
単なる野次馬的な好奇心?
自分はその人よりはマシだとう優越感?
自分自身の代弁者?


知りたいけれど、真実を知ることが出来ない。
それが、人の想像力を掻き立て、闇の渦を作っていく。
人の想像は、真実よりももっと深く暗い闇へと出来事を導き、
淫らで、スキャンダラスで、ドラマチックな物語と変化させていく。
真実は、もっとシンプルなものかもしれない。
本当は、出来事に深い意味なんてないのかもしれない。
でも、それを誰も知ることはできない・・・。
角田光代「森に眠る魚」のモチーフになった音羽幼女殺人事件もそう。
人の心の闇は、どうしても人を惹きつけてしまう、パワーを持っている。


闇の力は光の力より甘美で力強い。足をひっぱられるので気をつけなくてはならない。
「気をつける」まさに、この言葉通り。
気持ちをしっかり持たないと、心がひっぱられていく。


自尊心があまりにも強く、
バランスを取る方法が、あまりにも歪で、
甘美な闇に迷い込んだ、女達の物語。
これが「グロテスク」だ。



ゆうてますけど・・・。
・・・だから、なんなんだよ!
正直、この本、キライ。
上手に書けているけど、人の悪意を最後まで書いて何になるのさ!
スタートと終わりが何にも変ってないじゃん。
あっ。そうですか。勝手にどうぞ。ってゆう。
私には何も与えなかった物語です。
女の心理を読むとゆう意味では、面白いけどね(笑)